Webデザインでフリーランスになりたい初心者は、まず何から始めればいいのか
相談者:
「最近Webデザインの勉強をしていて、本気でフリーランスを目指したいと思っているんですが…。
何をどう進めていけばいいのか、正直ちょっと迷っていて。
独学でやっているうちに、だんだん自分のやり方が合っているのか不安になってきました。」
Mayuko:
本日はよろしくお願いいたします。
まずはゴールを一緒に共有したいので、お聞きしたいのですが――
どんな状態を目指していますか?収入の目安などでも大丈夫です。
相談者:
「そうですね…。
まずは副業としてでもいいので、しっかり案件を取って、自分の力で収入を得られるようになりたいです。
金額でいうと、最初の目標は月10万円くらい。
ゆくゆくは独立して、年収400万円くらいを安定して稼げたらいいなと思っています。」
Mayuko:
ありがとうございます。
では現状のスキルと経験も確認させてください。
Webサイトを「最初から最後まで」──デザインから実装、公開まで、
一人で完成させた経験はありますか?
相談者:
「いえ、まだなんです。
講座の中で模写練習とか、LPのデザイン案を作るところまではやったんですけど、
コーディングして公開した経験はなくて…。
ちゃんと自分で一つのサイトを完成させたことは、まだありません。」
Mayuko:
なるほど。ではもう一つ確認させてください。
第三者のためにデザインをした経験、いわゆるクライアントワークの経験はありますか?
知り合いの名刺やチラシを作った、などでも構いません。
相談者:
「いえ、それもまだないです…。
今のところは、講座や独学で作った課題とか、自分の練習用のデザインばかりで。
実際に誰かの要望を聞いて、それを形にした経験は一度もないですね。
正直、そこが一番不安です。ちゃんと要望に応えられるか、自信がなくて…。」
Mayuko:
ありがとうございます。
では、最初の一歩として、やることをシンプルに整理しましょう。
まずは、
- デザイン → コーディングまで含めて「1サイト」作る
- その上で、モニターでも知り合いでも構わないので、
ダミーではない「誰かのためのプロジェクト」を始める - 並行して、自分のポートフォリオサイトを作る
この3つを軸に進めていくのが良いと思います。
相談者:
「なるほど…!
まずは自分の手でちゃんと一つサイトを作って、その経験をベースにモニター案件につなげる、という流れですね。
確かに、練習だけで完結しているより、“誰かのために作る”ことで学びが全然違いそうです。
ポートフォリオも同時に作るのは少し大変そうですが、実績として載せられるのは大きいですよね。
具体的に、どんなジャンルのサイトから始めるのがいいと思いますか?」
Mayuko:
ジャンルは、基本的には「ご自身が好きなジャンル」で構いません。
長く続けやすいですし、言葉の解像度も上がりやすいからです。
その上でお聞きしたいのですが──
どんなクライアントが「理想の依頼主」だと感じますか?
相談者:
「そうですね…。
できれば、自分と近い立場の人とか、小さな個人事業をしている方をお手伝いできたらうれしいです。
たとえば、ハンドメイド作家さんとか、小さなカフェ、ヨガ教室みたいな…
温かみのある世界観の仕事が理想です。
かっちりした企業サイトよりも、“人の想いが見える”デザインを作りたいなと思っています。」
Mayuko:
なるほど。イメージはとてもいいですね。
ただ、最初の一件目としては、少しだけ戦略的に選んだほうが成長が早くなります。
たとえばカフェは、正直「Webサイトがあってもなくても、売上への影響がそこまで大きくない」ケースも多いです。
そういう意味では、最初の題材としては少しもったいないかもしれません。
一方で、
- ハンドメイド作家なら:EC(オンライン販売)の知識がつく
- ヨガ・ピラティス教室なら:予約システムや体験レッスンの導線設計を学べる
といったように、
「Webサイトを使って、顧客が直接売上につながる」タイプのクライアントを想定すると、
学べることが一気に増えます。
ですので、
売上に直結し、かつブランディングも重要になるようなクライアントを選ぶのがおすすめです。
相談者:
「なるほど…確かにそうですね。
実際に集客や売上に関わる仕組みがある方が、作る側としても学びが多そうです。
そう考えると、ハンドメイド作家さんのオンラインショップか、
ヨガ・ピラティス教室のサイトが良さそうに思えてきました。
特にヨガ教室は予約機能とか、体験レッスンの申し込み導線など、
考えることが多そうで実践的ですよね。
うーん…迷うけど、最初はヨガ教室のサイトをテーマにしてみようかなと思います。」
Mayuko:
良いと思います。
ただし、ここで一つ押さえておきたいポイントがあります。
予約機能そのものを「自作」する必要はありません。
この時代、予約プラットフォームはすでにたくさん存在しますし、
ノーコードツールで組み合わせれば、エンジニアリングなしで十分なことが多いです。
Webデザイナーの本質的な価値は、
- ユーザーの感情をどう高めるか
- 世界観やブランドをどう見せるか
といった「ブランディング側」に、どんどん比重が移ってきています。
ですから最初の一件では、
- ヨガ教室の雰囲気
- 先生の人柄
- 通ったあとの変化(ビフォーアフター)
こうしたものを、ビジュアルやコピーでどう表現するか、
という部分に意識を置いてみてください。
相談者:
「なるほど…、予約機能そのものを作る必要はなくて、
“どう見せるか”“どう感じさせるか”の方が大事なんですね。
たしかに、どんなに機能的でも、見た瞬間に世界観や想いが伝わらないと、
ユーザーの心は動かないですもんね。
ブランディングの要素をどうデザインに落とし込むか…って、
今まであまり意識してなかったです。
まずは、ヨガ教室の雰囲気や特徴をどう表現するか、リサーチから始めたほうがよさそうですね。」
Mayuko:
そうですね。
- 実在するヨガ教室のサイト
- 海外のスタジオのLP
- Instagramでの世界観づくり
などを見ていくと、インスピレーションがたくさん得られるはずです。
次のステップとしては、モニターさんを募集する、もしくは知り合いに声をかけてみるのも良いでしょう。
「ダミーではない誰かのためのサイト」を作る経験が、最初の大きな一歩になります。
相談者:
「そうですね、最初は実績がないから、
モニターさんとしてお願いする形のほうが現実的かもしれません。
SNSとか知り合い経由で、
“無料もしくは格安でサイトを作らせてほしい”って声をかけてみようかな。
ただ、正直DMを送るのはちょっと緊張します…。
どういう文面でお願いすればいいのか、ちょっと悩みますね。」
Mayuko:
そのあたりは、もうAIに任せてしまいましょう。
- モニター募集用の投稿文
- 個別DMのテンプレート
- お断りされたあとの返信文
このあたりは、型さえ作ればほぼ自動化できます。
毎回「一から悩む」必要はありません。
相談者:
「えっ、AIに…!なるほど、たしかにその手がありましたね。
DMの文面とか提案メッセージ、AIに下書きを作ってもらえば、
断られる不安も少し軽くなりそうです。
少し勇気が出てきました。
じゃあ、まずはAIでモニター募集の文章を作ってみて、
そこから実際に声をかけてみます!」
Mayuko:
実際に生徒さんの中には、営業を外注している方もおられます。
営業は「センス」ではなく「仕組み化」や「数」がものを言う部分も大きいです。
一件一件に一喜一憂しすぎず、
ある程度は機械的にこなしていく、という意識を持てると楽になりますよ。
相談者:
「そうなんですね…!
営業って自分だけで抱え込むものだと思っていたので、外注してる人がいるって新鮮です。
たしかに、感情的に一喜一憂しすぎると疲れちゃいそうですし、
ある程度機械的に回していく意識、大事ですね。
なんだか少し気が楽になりました。
“断られるのが普通”くらいに思って、淡々と行動していこうと思います。」
Mayuko:
他に、今のタイミングで不安に感じていることはありますか?
相談者:
「実はもう一つあって…。
デザインの練習をしてると、
“自分のセンスってこれで大丈夫なのかな”って不安になることが多いんです。
トレンドを意識しようとしても、他の人の作品を見ると圧倒されちゃって…。
『自分なんてまだまだ』って気持ちが先に来ちゃって、
なかなかSNSに投稿できないんです。
この辺って、どう向き合っていくのがいいんでしょうか?」
Mayuko:
センスは、才能ではなく「インプットと再現の量」でかなり補えます。
具体的には、
- とにかく「良いもの」をたくさん見る
- それを自分の手で「どこまで再現できるか」を模写してみる
- そのアウトプットに対して、しっかり添削してもらう
この3つのサイクルを回すことで、
初心者でもセンスや判断基準はどんどん磨かれていきます。
初心者のうちは、とにかく「量」が重要です。
そのうえで、独りよがりにならないように、
信頼できる人に添削してもらう環境を用意しておくと安心です。
相談者:
「なるほど…“良いものを見る”+“自分の手で再現する”っていうのが大事なんですね。
たしかに、見て満足して終わっちゃってることが多かったかもしれません。
模写って、ただ真似するだけじゃなくて、
“なんでこの配色なんだろう”“この余白の取り方はなぜ?”って意識してやると、
すごく勉強になりそうです。
それに、添削してもらえる環境を作れば、
独学でも方向性を修正できますね。
少し光が見えました。
まずは“量”を意識してやってみます!」
Mayuko:
今日は、
- 目標とする収入のイメージ
- 最初にやるべき「1サイト完走」
- 題材の選び方(ヨガ教室)
- ブランディングに意識を向ける重要性
- モニター募集とAI活用
- センスの磨き方
というところまで整理できました。
あとは、ここから一つずつ行動に落としていくだけです。
また進捗が出たタイミングで、お話を聞かせてください。
相談者:
「はい、ありがとうございます!
頭の中がかなり整理されました。
まずは“1サイトを最後まで作る”ところから、しっかり取り組んでみます。」
